障害のある方々の一般就労及び福祉的就労の促進及びその定着を支援するため、静岡県手をつなぐ育成会では、年に2回、就労支援部会を開催しています。 令和5年度第1回目の今回は、関係行政機関の説明と意見交換を実施しました。協議概要は、以下のとおりです。
就労支援部会(協議概要、文責:事務局)
1 自己紹介
・佐野さん(沼津市)
息子は高等部卒業後、ゆたかカレッジで就労移行の2年目、就活中。今日も体験実習に行っている。本人の不安が強いので、先生や親が励ましながら、就活を頑張っている。
・中村さん(沼津市)
娘はゆたかカレッジ通学。娘の進路を自分が決めていいのか不安だったので、自身が実際に福祉事業所で働いてみた。18歳の利用者を見ていて、「なぜ、18歳で働かなくてはならないのか?」と疑問をもった。じっくり教えたいと思ったので、娘は自立訓
練2年、就労移行2年通って、就活している。沼津の合同面接会に参加し、配慮をどこまで求めていいのか、経営者側は、法定雇用率を達成したいがために、良い顔をするが、実際体験してみて、現場がいい顔せず、何度も断られた。やっと内定が取れそうなところに今日、実習中。現在はゆたかカレッジ沼津キャンパスでサービス管理責任者をしているが、来年度からはキャンパス長となる予定。就職率を挙げるために頑張りたい。
・秋山さん(三島市)
娘は重度障害者、現在、生活介護を利用している。会員は重度が多いので、なかなか就職に結びつかない。
・米永さん(富士市)
富士市育成会でパワーアップ事業を担当している。障害者の自立を図ることを目的とした活動をしている。
・川崎さん(焼津市)
息子が小6のときに茨城県から引っ越してきた。浜松テクノカレッジ(静岡県立浜松技術専門校)へ進学し、一般就労したが、職場でのトラブルなどがあり、障害者就業・生活支援センターに相談して、A型へ就職し、10年ほど働いている。
・大城さん(浜松市浜北)
娘は継続して働いているが、仕事の役割が変わり、本人がついていけず、始末書を書いたこともある。相談支援事業所に相談したが、コロナで面談できなかった。現場職員から長文の苦情の手紙をもらったが、親には、ある程度問題が大きくならないと伝わらない。もっと早い段階で連絡がもらえればと思う。相談支援員は、つなげるだけでなく、ちょっとした困りごとにも対応できる制度があるとよい。
・芝さん(浜松市浜松)
息子。就労したが、1年半くらいで離職した。理由は体力的なもの、精神的なものが重なり、働くことが難しくなったから。現在は就労支援員と一緒にハローワーク等へ行っているが、福祉事業所への就労も考えている。情報をいろいろ得たい。
・木村さん(チャレンジ)
18年目。730名の登録。7〜8割の方が一般就労。定着に向けて頑張っている。職員5名で頑張っているが、タイムリーな対応ができず残念。
・伊藤さん(袋井市)
中1支援学級。今は毎日楽しく通えているが、先々のことが心配で、就労支援部会に参加した。
・石川さん(労働局)
実際の話を聞いて、現実的な話をしながら、現場で対応できるように持ち帰りたい。
・武田さん(障害者政策課)
福祉的就労を所管。生産活動を活性化し、工賃アップの取り組みを進めている。
・隆さん(雇用政策課)
障害者の一般就労の雇用促進に向けて活動している。企業を回って、理解促進、提案をしたり、ハローワークと連携したりしている。ジョブコーチの派遣の担当もしている。
・松本さん(特別支援教育課)
就労指導をしている。在校中、就職後の取り組みについて、学校で共有していきたい。
2 意見交換など
<委員>
・相談支援事業所の相談員が本人の様子を聞いてくれて助かっている。厳しく言われたりして、コミュニケーションでストレスがかかっている。有給が取りづらく、月曜日から土曜日まで皆勤で働いている。
・同僚が何を自分に望んでいるのかわからない。作業は、ノルマがあり、焦ってしまってミスや怒られたりしたが、今は、ミスをしないような作業方法になった。生理前に不安になり、ナプキンを同僚に借りたことがある。本人は、「もらえた」と思っていたが、「返してく
ださい」と手紙がきた。明らかに本人の存在が迷惑なことが文面から受け取られた。小さなトラブルの芽を早く摘むのが必要。就職して3年目になると、小さな不注意の積み重ねが、同僚の怒りにつながっているので、現場の小さな声を拾ってくれて対応してくれるといい。管理職と現場のスタッフとの乖離もある。保護者と会社の情報共有が大切だが、なかなか構築できない。
・社長の考えと現場の考えが違い困っている話はよく聞く。どう伝えていけば伝わるのか。
・ゆたかカレッジ卒業後の進路、働きたい気持ちが強いので、マッチすれば定着につながるのではないかと思う。
・支援級だと就労に対する関心が低く、やきもきすることがある。情報も少なく、育成会の会合はとても勉強になる。
・障害者就業・生活支援センターは、多くのケースを抱えており迅速な対応は望めない。相談しても、「では本人に会いましょう。」とはならない。相談できる場をもっと増やして欲しい。
・将来への不安を抱いている家庭は多いと思う。これまでの経験を踏まえての提案などをしたいと思っても、学校を通じての配布はなかなか協力してもらえない。放課後等デイサービスなどを利用するのも一つの方法だと思う。
<行政>
・工賃向上を目標にやっているが、支援がそれだけでいいのか改めて考えたい。
・職業準備ができていない方が無理に就職しても、企業側にとっても本人にとってもよくない。マッチングの部分でより効果的に進めたい。企業担当者の疲弊感も感じている。保護者と企業側のコミュニケーションの方法もルールを守り、お互い寄り添えないといけないと思った。LINEなどを利用する際には公私の区別をしっかりとつけることも大切。
・高等部は、3年間で生徒を就職につなげなければ、という気持ちが強かったが、現在では、「卒業後の生活」に重点をおいて考えるようになってきた。目的をはっきりとして指導していきたい。
日時:令和5年10月17日(火曜日) 10:05 〜13:15
会場:静岡県総合社会福祉会館 「シズウエル」 1階 103会議室 & Zoomミーティング
1 開 会 【10:05】
2 挨 拶 静岡県手をつなぐ育成会 会長 小出 骼i
3 自己紹介
座席表はこちら(PDFファイル102KB)です。
4 議 題
(1)行政説明と意見交換 【10:35〜12:15】
静岡労働局 職業対策課 様
静岡県健康福祉部 障害者政策課 様
静岡県経済産業部 労働雇用政策課 様
静岡県教育委員会 特別支援教育課 様
<説明資料>
静岡労働局(PDF、704KB)
障害者政策課(PDF、1,156KB)
労働雇用政策課(PDF、2MB)
(2)就労支援部会委員、関係団体による情報・意見交換 【12:25〜13:15】
<参加者>
静岡県手をつなぐ育成会 会長 小出隆司
沼津市手をつなぐ育成会 佐野貴與江 さん
沼津市手をつなぐ育成会 中村芙美子 さん
三島市手をつなぐ育成会 秋山裕子 さん
富士市手をつなぐ育成会 米永政文 さん
焼津市手をつなぐ育成会 川崎ふみ恵 さん
浜松市浜北手をつなぐ育成会 大城千幸 さん
袋井市手をつなぐ育成会 伊藤吉乃 さん(Web参加)
浜松市浜松手をつなぐ育成会 芝 充子 さん
富士障害者就業・生活支援センター「チャレンジ」センター長 木村清子 さん(Web参加)
【行政】
静岡労働局職業対策課 障害者雇用担当官 石川佳代 さん
静岡県障害者政策課 就労・施設班長 武田篤人 さん
静岡県労働雇用政策課 就業支援班 主査 隆(たかし) 耕一郎 さん
静岡県教育委員会 特別支援教育課 教育主幹 松本太郎 さん
〒420-0856
静岡市葵区駿府町1-70 静岡県総合社会福祉会館「シズウエル」3階
TEL 054-254-5230
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